オリジナルBL小説 【最終話】この日々を、君とともに 最終話:「この日々を、君とともに」奏は、いま作家として執筆の毎日を送っている。最初は、小さなエッセイ投稿サイトだった。「書いてみれば?」――そのたった一言をくれたのは、ほかでもない悠真だった。あの言葉から少しずつ、物語が広がり、いまではいく... 2025.05.13 オリジナルBL小説
オリジナルBL小説 【第9話】たどり着いた場所 第9話:「たどり着いた場所」休日の昼下がり。カフェのテラス席で、奏は悠真の隣に座っていた。ふたりの間には、特別な空気が漂っている。過去の痛みを乗り越えたからこそ、そこにある安心感と静かな幸福。「……今日みたいな日が来るなんて、思ってなかった... 2025.05.12 オリジナルBL小説
オリジナルBL小説 【第8話】信じたい、その先へ 第8話:「信じたい、その先へ」夜の部屋。灯りも点けず、カーテンも閉じたまま。ベッドの上で、奏は静かに膝を抱えていた。胸の奥が、ざわざわと波打つ。健吾の言葉。「独占欲が強い」「縛って苦しめる」――そして「いずれ、君も」。(……そんなわけ、ない... 2025.05.11 オリジナルBL小説
オリジナルBL小説 【第7話】信じたい、でも―― 第7話:「信じたい、でも――」休日の午後。「ねぇ悠真、これ……似合う?」奏が照れくさそうに差し出したのは、淡いブルーのシャツ。休日のショッピングモールで、ふたり並んで歩く姿は、まるで何年も一緒にいる恋人のようだった。悠真は微笑んで、シャツを... 2025.05.10 オリジナルBL小説
オリジナルBL小説 【第6話】リンクする心、重なる唇 第6話:「リンクする心、重なる唇」それから奏は、ゲームにもログインしなくなった。部屋の片隅、暗がりの中でぼんやりと日々をやり過ごす。一方の悠真は、毎晩同じ時間にゲームにログインしていた。ログイン画面に奏の名前が現れるのを、ただ祈るような気持... 2025.05.09 オリジナルBL小説
オリジナルBL小説 【第5話】本当の“YUMA” 第5話:「本当の“YUMA”」その後も奏は何度か”偽の悠真”に会った。違和感を追求することもできず、ただ時間だけを共有している感覚は拭えなかった。コンビニの帰り、街灯に照らされた道。健吾の手がそっと奏の手元に伸びた、その瞬間だった。『えっ⁈... 2025.05.08 オリジナルBL小説
オリジナルBL小説 【第4話】君じゃない、でもーー 第4話:きみじゃない、でも――駅前の小さなカフェ。季節外れの雨が、窓ガラスに静かに滴を描いていた。奏は、慣れない外の空気にほんの少し肩をすぼめながら、ひとつ深呼吸をする。「……ほんとに来ちゃったな」会いたいと思ったのは、ゲームの中の“YUM... 2025.05.07 オリジナルBL小説
オリジナルBL小説 【第3話】名前のない誰かに、心が動いた夜 第3話:名前のない誰かに、心が動いた夜ログインすると、YUMAはもうそこにいた。静かな夜の森。二人だけの秘密の場所。待っていてくれることが、こんなにも胸を温かくするなんて、奏は昔の自分では想像もできなかった。「今日、ちょっと早いね」「うん。... 2025.05.07 オリジナルBL小説
オリジナルBL小説 【第2話】 止まった時間の中で 第2話:止まった時間の中で「今日も、ここ?」「うん。ここがいちばん落ち着くから」静かな森の片隅。夜のフィールドにかすかな風の音が流れ、仮想空間とは思えないほど、心を穏やかにさせてくれる場所。SOU――奏は、毎晩のようにそこに現れて、悠真のア... 2025.05.07 オリジナルBL小説
オリジナルBL小説 【第1話】 Sweet Login 第1話:ログアウトした世界の中で(冒頭)朝が来るたびに、世界は忙しなく動いているように見えた。駅に向かう人々の背中、タイムカードを押す音、鳴り止まない通知音。――でも、僕の中だけ、何も動いていなかった。奏は会社のデスクに座りながら、目の前の... 2025.05.07 オリジナルBL小説